君津地域支部研修会 基調行事
パネルディスカッション
業界のあるべき経営者像に迫る

平成12年11月28日(火)
木更津ベイプラザホテル観月

コーディネーター 理事長 林 康博

パネラーのプロフィール
君津地域支部長 高橋雅也(たかはし まさや)
昭和39年生 36歳 日本ビル防災(株)代表取締役
君津地域支部(環境保全センター監事) 出口康博(でぐち やすひろ)
昭和33年生 42歳 (株)ホワイト代表取締役
環境保全センター常務理事(青年部会部会長)石井 栄(いしい さかえ)
昭和31年生 44歳 富士興運(株)代表取締役
環境保全センター常務理事 安部 陸(あべ たかし)
昭和31年生 44歳 (株)建総 代表取締役

林 :
 君津地域支部の支部研修会を企画しましたところ、役員の皆様はじめ支部会員の皆様のご尽力のおかげをもちまして、このような場を設けていただきました、ありがとうございます。
 テーマを掲げさせていただきましたが、それは「業界のあるべき経営者像に迫る」ということでございまして、どういうことかと申しますと、今ご紹介にあずかりました、私を含めて5名の経営者でございますが、自分の会社の経営というものをどういうふうに進めているか、そして将来どういう形で、企業として地元に奉仕できるかということを、1時問15分程度でございますが、話をしていきたいと思います。
 こういう経験は、私を含めてそうそうあるものではありません。4名の若手経営者の方々も多分初めての経験ではなかろうかと考えております。
 今回、こういう場を設けていただいた理由からお話しさせていただきますが、最近、ある地区で浄化槽清掃業の新規許可問題がありまして、私も立場上、現在の許可業者の指導育成を役所の方にお願いいたしました。お互いに忌憚のない意見交換を行ったわけですが、そうしたやりとりの中で考えされられたことは、いつまでも既得権益にあぐらをかいていることはできないな、ということでした。
 私は、私たちがたずさわっている業種は、ある面ではすばらしい業種だと思っています。
 私たちは、地域社会に根ざして、地域のみなさんと共に生きる中で、お仕事をさせていただいております。そうした状況を考えれば、私たちの業はサービス業でありますし、会社運営の中で経営者の資質も問われるわけです。
 私たちは長年にわたって地域社会の生活環境の保全に貢献してきました。そのことは、大いに、胸を張って主張すべきことです。しかしながら、既得権益にしがみついて努力を怠れば、事業が衰退するのは当然でして、地域の皆さんから支持されているのだろうか、サービス業としてお客様の期待に応えているだろうか、という視点が必要だと思います。極端に言えば、依頼が来ても半年位平気で放っておく、依頼を受けてもすぐにいかない、お客様から不平不満がくる、あいさつもできない、というようなことはないだろうか。
 そうした現状認識を踏まえ、4名の若手経営者の考え方を聞きながら、今後の経営のヒントとなれば幸いだと存じます。
 まず、自己紹介を兼ねて、自社の状況からお願いしましょう。高橋さん。

高橋:
 本日はありがとうございました。君津地域支部支部長の高橋です。
 この業界に入ったきっかけですけど、私が中学生の頃に、父がこの仕事を始めました。それで、高校卒業後に社団法人千葉県浄化槽検査センターに就職しまして、2年程お世話になりました。
 その頃に父が体をこわしまして、現場がそろそろ辛くなってきたから、戻ってやってくれということで、後を継いだわけです。しかし、16年ずっとやって来ていた父も4か月程前に亡くなりまして、私が引き継ぎました。経営者というには程遠い、まだまだですので、理事長に質問に対して満足な答えができるかどうか、わからないんですけども、そういうところです。

林 :
 はいわかりました。続きまして出口さん、よろしくお願います。

出口:
 こんにちわ、出口でございます。私がこの業界に入ったきっかけは、23歳の時に東京で就職をしていまして、その時に、先代である父が病気になった、帰ってこいよ、ということでした。その時に、兄2人が会社にいたわけなんですが、やはり、2人よりは3人ということで、呼び寄せられまして、入社したわけでございます。それで社長に至るまで、12年間、35歳まででございますが、最初は助手、運転手、点検要員、営業ということで、その4業種を経験したわけです。どれも、ままならず、だったら、お前社長しかないだろうと、それは冗談ですが、父が再起不能の病気になりまして、急遽、現在の社長業についたわけでございます。

林 :
 はい。出口さんの場合は、社長になって何年になりますかね?7年ですか。ありがとうございました。続きまして、石井さん。

石井:
 みなさん、こんにちわ。環境保全センターの常務理事、また、青年部会部会長を仰せつかっております、葛南支部、鎌ケ谷市なんですけど、富士興運(株)の石井と申します。私は、一人っ子なものですから、将来的には家を継ぐということを思っておったわけですけど、学校を卒業いたしまして、これも父の指示なんですけど、松戸市役所に9年間、昭和62年までおりました。たまたま、松戸市の方で委託業務をやっていたものですから、今となれば、父も先を見て、私を入れたんだと思うんですけども、同期とか、後輩、先輩の方々が、各課につながって、現在、業務をやる上でも、非常にやりやすく、良かったなと感じております。昭和62年に会社の方に戻りまして、平成2年から、代表取締役ということで、現在に至っております。

林 :
 平成2年からですか、10年位ですね。続きまして、安部さん。

安部:
 みなさん、こんにちわ。市川支部、中央支部に所属しております株式会社建総の安部と申します。環境保全センターでは常務理事を仰せつかっております。壇上に上がってですね、講釈をたれるようなほどのことをしておりませんし、本日のテーマであります「業界のあるべき経営者像に迫る」などと、大それた事を言えるような柄ではございません。逆に、あるまじき経営者像になってしまうかもしれませんが、何か業界のレベルアップにつながるようなヒントがあって、それをお持ち帰りいただければ、という気持ちでお話させていただきたいと思います。
 私の父はサラリーマンでして、昭和46年にむち打ち症を患いました。かなり大きな事故だったもので、復帰までに2年間を費やしました。そろそろ会社に復帰しようと思った時に、また、昭和48年にむちうち症を患いまして、鉄の商事会社に勤めていた父は丁度鉄が暴落をして、会社にもこれ以上は迷惑はかけられないということで、自主的に退社いたしました。知り合いに、し尿処理場に勤めておられる方がおりまして、これからは浄化槽の時代だということで、浄化槽の清掃・保守点検業をやってみたらどうだろうというお話しをいただき、業を始めるに至ったわけです。当時、私は高校を卒業をした次の年で、別の会社に勤めておりましたが、父が一緒に手伝ってくれということで、呼ばれたわけです。まさか浄化槽屋さんをやるとは思わず、その当時は本当にやるの?という気持ちの方が強かったと覚えております。その当時、私の兄は大学に通っておりまして、弟は高校に通っていました。父と二人で、昭和50年に会社を設立いたしまして、現在に至っているという次第です。父が平成元年に他界しまして、平成元年から私が社長をやらしてもらっております。

林 :
 はい、ありがとうございました。会社というのは生き物ですね。今はlT産業など、社会的にも騒がれていることがいっぱいあるわけですけど、やはり、最終的には、人と人との関係だと思うんです。
 私は、昭和50年にこの業界に入りました。それまでは、市原にあります第日本インキ化学工業株式会社という所におったわけですが、兄貴が亡くなったもんですから、お前やれということで、私も昭和50年から成田の地で商売させていただいております。やはり、社長一人では、車は一台しか運転できない、ということですよね。いかに経営者に近い人達を、社員教育をしていきながらいっぱいつくっていくかということが、私の基本的な考え方です。大日本インキにいた時は、社長さんの顔を見ることはないわけです。1年に1回見れば、大変なものでして、3年も4年も見ることがないというのが現実でございますから、社長がいなくても、あれだけの会社を動かすのはいったい何なのだろうと考えたわけです。これは、人と人との関係、組織なんですね。組織をきちっと作っていかなければいかんなと、考えておったわけです。で、組織づくりというのは、人づくり、社員づくりだと思うんですね。大手さんが、色々な店を出せるのも店長さんをきちっと育てているからできるのであって、社員教育ができないと何事も為しえません。
 私も理事長という職務柄、外出の機会も多いわけですが、その間も会社は動いているわけですよ。売上も、目標いくらということで、社内的に設定しておりますが、売上につきましても、お客様が困っていることを、いかに私達がお手伝いをするかということが、当社の大きな考え方のポイントだと思っています。それが、結果として商売につながるわけでございまして、売上という問題にもつながっていくわけです。そういう中で、理念・社是・モットーをきちっと作って、その理念に基づく行動が共生。社長と社員が一緒になって働くのだということが当社の考え方でございまして、そういうことも含めて社員教育という問題が一番大きなテーマだと思っております。
 高橋さん、どうですか?

高橋:
 先程も言いましたように、代表取締役になって4か月なものですから、それまでは、現場の親方レベルでしか物を考えてなくて、これから、確かに社員教育というのは、大事な事だと思います。雇う側と働く側ですよね。そこの意識の差というのは生じて来ると思うんですよ。雇われる側としては、いかに楽に稼ぐかということ。こちらとしては、給料の中でどれだけ目一杯売り上げを上げてもらえるかという、雇い主と雇われる側の競争みたいなもんで、それをうまく使っていける人がいい経営者で、人の使い方が上手か下手かということで、決まってくると思んですよ。自分は人の使い方というものが本当に下手だと思うんです。自分が現場で飛び回っていける歳ですので、人に任すという事がなかなかできなくて、人に教えながら任せるぐらいだったら、自分が出ていくという感覚でやってますので、未だに現場から始まって、普通でしたら、事務員さんに任せるようなパソコン仕事とか、資料関係もいまだに自分でやっているんです。ですから、人材が揃わないという感じです。その辺の所をこれからは、どんどん社員教育というものをまじめに考えて、やっていきたいと思います。

林 :
 人を使う・・・?人を使うという考えた方は、基本的にまずいんで・・・。私の考え方は、人を使うということよりも、お互いに理念とか、高橋さんの考えている会社像というのを明確に社員に打ち出して、それに対して、社員さんに共鳴していただく、また、理解していただく、自主的に与えられた仕事を合めて、仕事に前向きに取り組んでいく形作りにもっていかないと、人を使うということは、基本的には無理なんです。私の経験上、現場の親方だと「使う」でいいかもしれませんが、経営者となると、そうじゃないと思いますので、今後、勉強といいますか、教育の中で考えていただければ有り難いなと思います。出口さんどうですか?

出口:
 私が、後を継いだ平成5年当初。丁度まだ、景気のいいさ中だったと思んですが、求人広告を出しても、人が来ていただけない状況でした。在勤する社員の皆さんも、9割方私より年配の方々の中で、私が長として事業展開をしていったわけなんですが、非常に反感を持たれまして、その中で、至らない社員が不法投棄だとかして新聞等を賑わしたこともありました。私もその時はショックで、どうしてだろうと大変悩みました。人間がやったことでございます。その人間に、どのようにして良い方向に向いていただくかということ悩んだわけです。経営者と社員ということではなくて、お互いに人間同士、たまたま組織の中で上であり、社員として来ていただいた方でございますね。当社の社是にもあるんですが、人間尊重の経営ということで、社員の方一人一人とコミュニケーションを深めて、何かあったら「どうしたの?」と問いかける。頭からこうだ、ああだ、と言うのではなく、一人一人を尊重して、経営に当たっております。

林 :
 素晴らしい、人間尊重という言葉がある。我々経営者だから偉いとか、理事長だから偉いとか、そういうことは全くないわけですから、全く同じ人間であるんですね。同じ人間である以上は、物の見方が違うとか、責任があるとか、借金を背負っているとか、そういう事が違うのであって、人間尊重ということは大事ですね。続きまして、石井さん。

石井:
 各社、社員教育ということでは、基本理念などに基づいて行っていると思うんです。たいして偉そうなことはないんですけど、私が、昭和62年に会社に入ってからはですね、その当時は父が現役でしたから、私が産まれる前の頃から働いている方や私が小さい頃から働いている方が沢山いらっしゃいました。平成2年に私の代に代わりまして、平成5年ぐらいから、人材が変わっていく時期だったんですね。ここ3年位は平均年齢が45歳位ということで、私自身の頭の中で考えていた会社像というものが浸透しやすい、そういう年齢の方が従業員に増えてきたと感じています。僕が大事にしているのは、人と人との融和ですか、ハーモニーと言っているんですけど、従業員には、ある意味では厳しく、ある意味では家族的に付き合っていきたい考えています。1年のうち半年間も休む従業員がおりました。普通だったら解雇するんでしょうが、この10代の子をどう教育していったらいいのかなとずいぶん考え、3年間辛抱して、ようやく休まず会社に来てもらえるようになったという経緯もあります。
 私共みたいな仕事ですと、中学校不登校の中退者、高校中退者というのが、私の会社にも沢山います。昨年から地元の中学校の不登校の子供を預かったりしているんですけども、中学校1年から学校に行ったことがないという3年生の子が昨年4ヶ月間来てまして、4ヶ月間一日も休まないんですね。それで、卒業式に送り出したんですけども、やはり、人との出会い、会って接している中で、いい環境にしてあったから来てくれたのかなとも考えますし、また、その子に対して、同じ境遇だった社員をつけて、面倒を見させました。それもひとつの教育じゃないかということで、その子も随分自信につながったように感じています。私としては、人と人との「出会いと融和」を特に大事にしてきているつもりです。

林 :
 すばらしい話ですね。それは石井さんが、社員さんに対して愛情を注ぐからでしょうね。そういうことが伝わるわけですから。好きだ好きだと思っていると、相手も好きになってくれますし、嫌いだ嫌いだと思っていれば必ず相手も嫌いになっていきますから。
 私の会社の社是の中で、人間は愛の実現なり、という言葉を使っているんですが、やはり、愛というのは、お互いに愛情を持って接するということ。プラスの部分を見てあげるという事ですね。人間どちらかと言うと、マイナスのことを言った方が楽だし、何か問題があったら、怒るということをしてしまうんですが、やはり、褒めてあげるということが一番大事だと思うんですよ。褒めることは何でもいいんですよ。空き缶が落ちていたのを拾った、よく気が付いたねと一言いってあげると、その本人はものすごく喜ぶのですから。下の人は上の人を良く見ると言いいます。上から見ると下はなかなか見えないんですが、下から見ると上がよく見えるようです。
 ですから、ちょっとしたことで褒めてあげる。褒めることがむずかいしいんです。朝礼なんかでも、褒めてあげる。そういうことだけでも、社員教育になるんですね。お互い好きになっていく条件だと思んですよ。石井さんの会社はすばらしい会社だと思います。安部さんいかがですか?

安部:
 私の会社では、何の為に仕事をしているのか、ということを社員の方一人一人にご理解していただくということで、会社の繁栄と社員さんの幸福、関連企業取引企業さんの繁栄、これは共存共栄ということですね、そして、生涯幸福人生の為の会社作りをしていこうよ、ということを社員さんに耳にタコができるほど繰り返し話をしているわけでございます。平成元年に、私、社長になりまして、まあいろいろやってみたいことがある、社員教育もそのひとつでございましたけど、まず、事務所の電話の応対、これを変えていこう、これやってください、こういう風にやってくださいと言いましたら、1年の間に全ての事務職員が退職いたしました。それまで、現場職は、朝来て「おはようございます」もなく、帰る時もいつの間にかいなくなっちゃった、という状態の会社でした。平成3年にまず、挨拶をする、トイレ掃除をする、そして朝礼を取り入れたら、会社の現場職の半分以上が辞表を持ってきまして、そんな事をやらせるのなら、会社をやめるよと。当時は、本当に景気が良い時期で、先程出口さんもおっしゃっておられましたが、求人募集をしても、人が来ない。そういう中で、約半分以上の人間が、まさか辞表を出しても、社長は折れていままで通りにやるだろうと、おそらくたかをくくっていたんだと思います。当時、林(理事長)さんの紹介で、中小企業家同友会というところに私入らせていただいて、いろいろ勉強していく中で、物事を変える時には、一大決心をし、血のにじむような努力が必要だよ、と言われ、相談したら、思い切ってやってみれば、ということで決心しました。平成3年、朝礼を行うようになって、従業員の現場職半分が退職、私も現場に出ておりまして、本当に人の2倍、3倍働いたという記憶がございます。考えてみると、そういう一大決心をすることによって、ある程度の基盤作りができたのかな、と思っております。
 また、教育という事で考えますと、教えるというのは、先生の気分でやっていたわけですが、ちょっと教えられて、「教育というのは共に育つことなんだよ」と。要するに、社員さんだけが育つのではなくて、社長も育つことが教育だよということで、なるほどなと思っています。やはり色々やってますと、社員さんの中でも、上がってくる方はどんどん上がってきます。その上がってきた社員さんに抜かれまいと、私自身も色々な所に出ていって、話を聞いたり、勉強させていただく。これが本当の教育のあるべき姿なのかな、ということを感じております。
 先程、石井さんから家族的ハーモニーという話がありましたが、私も一時社員さん一人一人の細かいところまで関わっていたんですけど、家族が事故をやったとか、出産したとか、いろいろ情報が入ってきますと、ボーナスの査定の時に非常に目が濁ってしまいまして、あそこ子供が産まれたから大変だろうとか、小学校入学したから大変だろうとか、いろいろな事を考えると正当な評価ができないのかなということで、現在は、なるべくそういう部分には関わらずに、会社の中に「共済会」というのがございまして、そこで全て対処していただくような形を取らしていただいています。

林 :
 大変参考になるお話をありがとうございました。経営者が勉強しないといけない、という話だと思うんですけど、経営者が勉強する事によって、社員の能カも当然上がる訳ですし、また、一つの形が出来ていくということですね。
 まず、挨拶をするという事はむずかしい事なんですね。挨拶をするのは、お金はかからないんですよね、なぜ挨拶をしないのかなって。保守点検にいった時もぼそぼそっと挨拶をする、ぼそぼそっとして、仕事をして、帰るという人も、うちの社員にも当然いるんですが、どこの誰で、今日清掃に来ましたと言うことをきちっといえる社員作りというのは大事だと思うんですね。そういう事をしていかないと、お客さんとの信頼関係ってないんですね。いつの間にか終わっちゃったみたいだよと、自動引き落としになっているもので、逆に出てこない方が楽でいいやと。まして、雨でも降った時には、これ幸いだと適当に仕事をやっているとは思いませんが、立ち合ってこないからいいやとか、そういう事ですと、業界全体のレベルも落ちます。人と会ったら挨拶、また、お客さんと会ったら挨拶をする。全てのことに対して大事なことだと思うんですが。
 先程の話で、朝礼でやめちゃったの?なんで?前に出て話すのがいやだったんだ、なるほどね。 関連性があるんだよね。そういう状況の中で断行したということが素晴らしいんじゃないかな。何も機嫌を取る必要はないわけですからね。やはり、経営者の信念があればいい、と思うんです。いろいろな企業の苦労話を含めてお聞きしたわけですが、仕事を進める中で、今後の展望も当然あると思います。仕事の展望というのは、保守点検を中心としてスタートした会社もあれば、清掃を中心としてスタートとした会社もあります、色々生い立ちはあるんですよね、そういう中で、その仕事の将来にわたってのビジョンですね。
 安部さん、どうですか?

安部:
 私共の会社は、市川市にございまして、ここは、下水道普及率約60パーセントになっております。そういう中で、やはり、優秀な社員さんをいかにつなぎ止めておくかが課題です。浄化槽、今日も取り壊し何件あったよ、今月は何軒減ったよ、今年は何百件滅ったよ、そういう話が続くようだと、うちの会社は先細りになって、いつか首切られるのかな、人員整理されるのかな、そういう風になってますと、優秀な社員さんほど早く退社していって、どこかに行ってしまいます。
 うちの会社は将来こういう方向性に進んで行くよ、という明確なものを打ち出しておかないと、その目標に向かって一緒に頑張っていこうよ、ということを社員さんと共に考えていないと、優秀な社員さんをつなぎとめられないんではないかと思います。
 当社は、今やっております一般廃棄物の許可業の収集運搬、そして、本年度から一般廃棄物の委託の仕事もやらせていただけるようになりました。産業廃棄物の収集運搬や下水道管きょの清掃といった仕事もやっておりまして、将来的にはそっちのウエイトを大きくしていくよ、ということです。平成6年から一般廃棄物を始めまして、車両台数は、バキューム車が今6台あるんですが、一般廃棄物のほうも7台、来月には8台目の車が入る予定です。徐々にウエイトをシフトしていって、将来的には、産業廃棄物関係の中間処理あるいはリサイクル工場的なことをやっていきたいと考えています。それに向かって、今は苦しいけれども、頑張っていこうよということと、やはり浄化槽を基にして始まった会社ですから、浄化槽が完全になくなるまでは、お客さんにどんな事があっても、その日のうちに対応、電話を受けたら何時でも必ずお客さんの所に出向くという事をやって、お客さんに喜んでいただける、CSという言葉がございますけれど、お客さんの満足ではなくて、お客さんに感動していただける仕事をしようじゃないかということで、社員さんにお願いをいたしております。感動したお客さんは、喜んで会社に電話をしてきてくれて、お宅の社員さんのこういう方がこれこれこういう事をやってくれたんだよと、そのように言っていただけると、僕は本当に社長をやっていてよかったなと思います。それを朝礼で、皆さんの前で褒めてあげると、その社員さんは喜ぶ。こういった事をこれからも続けていって、今以上に大きい会社づくりをしていって、将来的に安定した会社にしていこうと頑張っております。

林 :
 感動を与えるとういことは大変なことですよね。ぜひ、そういう形で向かっていっていただきたいと思います。石井さん、いかがでしょうか。

石井:
 将来のビジョンとなりますと、やはり会社を現状維持だけじゃなくて、少なくとも、伸ばしていこうという考え方かと思うんです。僕は前から「環境を見つめる力」と「環境から学ぷ力」そして「環境に働きかける力」というのを頭におきながら、新しい仕事がないかなと考えてきました。合特法とか、先程話が出ましたが、私の会社も例外ではなく、一般廃棄物ではないんですけど、委託を受けていた仕事を切られた経過があります。
 その時に、うちはこういう仕事ができるんだよというものを、胸を張って持っていなければいけないなと痛感いたしました。それを考えながら、オゾンを利用した砂場の清掃という新規の事業を展開し、委託業務を昨年から受けさせていただきました。早い話が、合特法の趣旨を踏まえた代替業務という形になりました。ですから、いつでも、自分の会社が出来る器の中で、胸を張って、うちはこれができますよと、新規事業として、新しい仕事として出来ますよという仕事を数多く持っていなければいけないなと、つくづくその時に感じました。これからも、そういうものを探究しながら、大きくしたいなと思っております。

林 :
 ありがとうございました。人の会社が出来ない、オンリーワンの企業というのはそれは大変なことだと思んですね。また、そういうのを探すというのも大変なので、それは、また勉強しながらやっていけばいいと思います。これはうちの会社でしかできないんだよというものがあればですね。頑張って頂きたい。出口さんよろしくお願いします。

出口:
 はい、やはり、先程安部さんのお話にもありました通り、私どもが営業している区域も下水道化の波が押し寄せているわけです。特に私どもの営業範囲は街中でございますので、その痛手はだいぶかぶっております。
 経営者というのは、将来に対する不安ですとか、焦りですとか、そういった気持ちを目先の事で何とかしようという気持ちになってしまって、社員に、どうしたんだ、売り上げを上げろ、何とかしろと、会議を開いても、そっちの方に目が向きやすいんですけど、社員にとっては、会社がこんなになっちゃっているんだなということで、将来に対する不安だとか、色々持っていると思んです。経営者としては、わが社に働いて下さって、いつも夢と希望を持てる会社を作っていきたいなと、経営者が幸せになれば、社員はどうでもいいなんて。
 先程お話をさせて頂ましたが、どうせ同じ所で働くんであれば、経営者、社員の皆さんと一緒に幸福になっていきたいなという所で、これから先も、この業界のパイは拡がる事はありませんので、他の業種を社員共々これから育てあげる「業種の研究会」というのを月に1回開いておりまして、そこで色々な意見を持ち寄りまして、まだ、遊びの段階ではございますが、来年度に向けまして、一つ一つ具体化していけたらいいなと思っております。

林 :
 大変ありがとうございました。出口さんの所も社員と夢を語り合うと言うことで話がありましたが、やはり、社員さんも夢を追っているわけですよね。この社長と一緒にいていいかな、おれはもっと他に、もっといい所があるんじゃないかなと思うわけですよね、そこで夢を語っていく、ビジョンといいますか、一番大事じゃないですかね。
 環境保全センターもビジョンづくりというのを考えておりまして、先輩が千葉県環境保全センターという「環境保全」という名前をつけてくれたのは、将来の夢を名前につけてもらったんじゃないかなと考えたわけですね。環境保全ということは地球規模であるわけですから、すばらしい名前をつけていただいと思っております。その名前をけがさないようにと、頑張ってやっていただきたいと思います。
 最後になりましたが、高橋さんよろしくお願いいたします。

高橋:
 うちも一緒で、今まで、浄化槽清掃とか、し尿収集運搬関係ですね、それを主体でやっていたんですけども、町中の下水道に伴う業務縮小ですか、それ以外に部門としては、産業廃棄物の収集運搬、一般廃棄物、ゴミの許可ですね。それと、貯水槽の清掃、その程度の事なんですが、浄化槽バキューム関係が先細りなったのに対して、どの部分を伸ばすかというと、下水管の清掃なども、今まで実績があって、やっているんですが、まだ全然従来の業務をカバーできるまでの業務は出てこない。また、産業廃棄物の収集運搬も、正直言って、収集運搬だけでは利益はいくらも出ない。また、一般廃棄物(ゴミ)の許可ですが、委託でしたらどうだか分からないんですけど、許可のゴミですと、これも今現在は、2台動いているんですけど、経費の方は従来の業務の売上から補填しているような状態ですので、さあ、どれを伸ばそうかというと、先程、安部さんも言ってましたけど、産業廃棄物の中間処理なり、リサイクルセンターというようなものでしょうか。父も15年位前から言い続けて、会社が儲からないものですから、実現できないんですけど、最終的には、そういったものに行き着きたいと思う次第です。
 実際、それに向かってどういう事をしているかといわれますと、まだ、漠然とした夢でしか持っていないんで、具体的なプランは持っていないんですけど、まあそういうところです。

林 :
 いろいろな分野がありますから、勉強していただきながら、また、頑張っていただきたいと思います。また、その中で自分に合ったものもありますから、お役に立ったかどうかわかりませんが、持ち帰っていただければ、幸いだと思います。我々企業というのはですね、社会の公器、社会の器なんですね。ですから、道路も税金でつくった道路で、社会で生きていく以上は、いろんな事で面倒をみていただきながら、企業としてはあるわけです。いかにお客様が困った事に、お応えできるかという事が、企業の一番大事な存続意義なんじゃないかと思うんですね。お客様が困った事に、我々が迅速に応える、という事だと思います。
 経営環境は、3年後、5年後、10年後、来年は21世紀の幕開けですが、常に変化していきます。合特法の問題にしましても、もっと煮詰めていこうよ、という話もありました。社会も、会社の中も変化していきます。そういう意味で、きちっとした理念が必要だと私は考えております。今日、お話し願った若手経営者の皆様方、大変素晴らしい話ありがとうございました。
 こういう事を機にですね、切瑳琢磨して、地域のみなさま方のご期待に応えるれるように、頑張っていただきたいということを申し上げ、この討論会を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。